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大学の若大将 (1961)監督・杉江敏男 |
開始から0:42 (東京都目黒区東が丘1丁目)
「あ、こんちは」
「まあ」 「驚いたな、この辺すか?あなたの家」 「ええ、あたしもビックリしちゃったわ。だって・・」 「目下アルバイト中なんですよ」 若大将シリーズ第一作目。 仲間から「若大将」と呼ばれる田沼雄一(加山雄三)は京南大学の水泳部員だ。 田沼は訳あって家を出、植木屋に住み込みでアルバイトをすることになる。 ある日、仕事先で植木の手入れをしていると、偶然、澄子(星由里子)が通りかかり、雄一の植木屋姿を見て驚く。という1シーン。 |
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(撮影・2014・05・07) 二人が立つ道路はそれほど広くはなく、カメラ側から見て下り坂のようだ。ここは何処なのだろう。 向かって右側は田沼が植木仕事をしているお屋敷。左側も木が茂り、その先に木造の建物がいくつか見える。 これだけではここがどこなのか見当をつける事は難しい。他に何か手がかりはないだろうか。 画面の奥に写っている大きな鉄筋の建物に目が吸い寄せられた。この建物はどこかで見たことがある気がする。これといった特徴の無いビルなのだが。どこだったろう。 思い出した。もしかしてあのビル? このビルは「日本一の若大将」で田沼が走ったマラソンコースのあるシーンでに写り込んでいたビルに似ている。(写真下) なぜこんな特徴の無いビルをよく覚えていたのかというと、ここがマラソンコースの中で最後まで撮影場所がどうしても分からない地点だったのだ。コースの位置的には渋谷区から世田谷区辺りの国道246号線に近い地点はずなのだが、どうしてもこの緩やかにカーブした道路と背景のビルが見つからない。何度も何度も液晶モニターに穴が開くほど見つめたシーンなのだ。 結局このロケ地は駒沢オリンピック公園の南側であり、ビルは駒沢オリンピック公園に隣接する「国立東京第二病院」(現・国立病院機構東京医療センター)だったのだが、現在は画面に写る若大将達が走っている道路そのものが無く、病院のビルも建て替えられているので特定には大いに苦労した。(「麻布田能久」さんと「鰤ほぐし」さんにより特定) きっと「大学の若大将」で雄一が植木屋のアルバイトをしていたのも「国立東京第二病院」が見える位置に違いない。 ↓ 1963年の航空写真から撮影位置を割り出してみる。 「大学の若大将」も「日本一の若大将」も「国立東京第二病院」が同じような角度で見える。「日本一の若大将」では「国立東京第二病院」を南西側から見ていた。しかしそれを「大学の若大将」に当てはめると、どうもしっくりくる地点が見つからない。もしかしたら対角線上の逆方向から見ている可能性もある。逆の北東方角から探すと、よし、おそらく間違いないだろう、という撮影地点を見つけた。 澄子の背後に写っている木造の建物の位置関係も合致している(A,B,Cの建物)。 ↓ 澄子の背景に見える「国立東京第二病院」と「A,B,Cの建物」。 「国立東京第二病院」の建物の周囲は「足場」で囲まれているように見える。撮影時は建築途中だったのかもしれない。
↑ ここでちょっとした「特ダネ!」 知り合いの0さんは、少年時代はこの近辺が地元だったそうだ。この写真はそのOさんから提供していただいたもの。 1968年くらいの撮影で、左側にうつむき加減で写っている賢そうな少年が0さんとのこと。 背景に大きな(三階建て?)木造の建物が見える。これが「大学の若大将」で屋根だけ写っている「A」と示した建物であるとのこと。貴重な写真だ。 このすべり台や物干し台がある広場は建物「B」と「C」の間に位置していて、写真の向かって左側に「B」、右側に「C」の建物があることになる。(1963年航空写真で「資料写真撮影方向」参照) 貴重なお写真ありがとうございました。 (写真提供:岡田さん)(2022/06記)
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